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第二話 《 プチ夜逃げ 》

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第二話 《 プチ夜逃げ 》

貧困の生活をおくっていたAさんは生活のために消費者金融でキャッシングをしましたが、その後も仕事はうまくいかず、何とかしなければと思っていました。
彼はふと思いました。
( 家賃も払えなくなってきた…。もっと安い家に引越ししよう…。 )
Aさんは早速、引越先を決めたのでした。
場所は今の家からそれほど遠くないが、とても寂れたアパートでした。
返ってきた敷金を新しい家の敷金等にまわし、引越は自分でやったため、かかった費用は不動産屋への手数料程度で、無事に引越完了しました。
( さあ、これから新たな生活をはじめるぞ!! )
Aさんは気分も新たに気合充分でした。
しかし、家賃は、比較的、安いとは言うものの、本業での収入が上がるわけでもなく、別の仕事をやるわけでもなく、つなぎ程度にアルバイトをする毎日では根本的な解決にはなっていませんでした。
とうとう、キャッシングの月々の返済までも滞るようになってしまったのです。
( あ〜、オレは何をやっているんだ。 )
嘆く思いをよそに、時間だけはただ毎日過ぎ去って行くのでした。

そんなある日、アルバイト先の社長から面白い話をもらいました。
『 今度、店を出店してくれっていうオファーがきてるんだが、オレの変わりにやってみないか? 』
Aさんは戸惑いました。
本業もままならないまま、アルバイトならまだしも、他の事業を始めてもいいものだろうか…。
しかし、返事を長引かせるわけにもいかなかったので、ちょっと不安もありつつ了承したのでした。
この行動が、彼の人生を好転させるのなら良いのですが…。
新しい事業を先の社長の手助けもいただきながら進めると、それなりのお金が入るようになりました。
生活水準が上がったわけではないのですが、心のゆとりは前よりかはできたようです。
( よかった。これで、とりあえず、キャッシングの返済ができる )
そう、Aさんはキャッシングの返済を長期滞納していたのです。

ある日、意気揚々と消費者金融のATMに行くと店頭窓口は営業時間外だったため、閉まっていましたが、ATMはやっていました。
彼は滞納していた罪悪感からかドキドキしていましたが、窓口が閉まっていることにホッとして、いつものように入金しようとしました。
カードを入れて、取引内容と暗証番号を打ち込む。
と、次の瞬間!!

トゥルルルルルルル…

ATMに備え付けの電話がなったのです。
Aさんはドキッとしましたが、冷静に受話器をとりました。

『 もしもし 』
『 もしもしお客様。お客様はA様ご本人様でいらっしゃいますか? 』
『 はい、そうですが…。 』
『 現在、住所、連絡先等にご変更があるかと思いますが… 』

そう、Aさんはキャッシングの返済を滞納したまま引越をして、住所、連絡先等の変更を申請していなかったので、消費者金融サイドは必死に居場所を探していたのです。
本人はそのようなつもりはなかったのでしょうが、第三者からみれば 『 夜逃げ 』 でしょう。
だからといって、この時、キャッシングの返済に行かなければ、もしかしたら逃げれたのか?
と言うとそうではありません。
消費者金融はプロですから、すぐに居場所はわかってしまっていたことでしょう。

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